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大人になってもいつまでも忘れたくないよ…!

霧矢あおいさんと自己肯定感の話


アイカツ!』の71話を見た。


武道館後から本格的に見始めて、50話を見たのが4/13、綺麗に終わりすぎたので2ndシーズンまで時間を置き、52話を見たのが4/22だ。

いちごちゃんがいない状態で2ndシーズンが始まるのか…大丈夫なのか…?と思ってたら、1年経ってるし、おとめちゃんがスターライトクイーンになってるし、いちごちゃんはあっさり帰ってくるし、大型新人がデビューするし、いろいろ驚いてしまった。
とりあえず今回はそんなことは置いておいて、なんで約1ヶ月で50話見ることができた私が、その後21話見進めるのに1ヶ月半かかったのかについて書こうと思う。



一言で言うと、「52話での失望」だった。



簡単にあらすじをまとめる。

51話でスターライト学園とドリームアカデミーの代表が対決することが決まり、ドリームアカデミー代表の大型新人音城セイラちゃんが初登場で星座アピールを出す。
スターライト学園代表に選ばれた霧矢あおいは、負けた方の学園長が辞めるという話を聞いてしまう。
自分に星座アピールが出せるのか、音城セイラに勝てるのか、と葛藤する。
そこへアメリカに留学に行っていた星宮いちごが帰国する。(ここまで51話)

セイラに「星座アピール、あなたは出せる?」と聞かれたいちごは「出せちゃう気がする!」と答える。
ならやって見れば良いと言われ、あおいに確認をとると、あおいは少し悩んだ後、「いちごにステージを譲る」「むしろお願いしたい」と答える。
いちごは先の言葉通りステージで星座アピールを出し、結果は引き分け。
スターライトの織姫学園長はステージを降りたあおいに「あなたも星座アピールを出せると思っていた。あなたの可能性、私は信じているわよ」と声をかける。

52話はここで終わりではないが(むしろAパート分しかない)、ここまで書けば十分なので残りは割愛する。



このシナリオのどこが嫌だったのかというと、あおいがいちごにステージを譲ったシーンである。
学園長は大事な局面でのライブに、“霧矢あおい”を代表として選んだ。“スターライトクイーン”の有栖川おとめでもなく、着実にキャリアを積んできた“美しき刃”、紫吹蘭でもなく、“霧矢あおい”をだ(ちなみにこの時はスターライトクイーンカップの決勝はおとめちゃんと蘭の対決だったと思い込んでいた)。
学園長が彼女を代表に選んだ理由ははっきりとは示されていないが、ステージの後に述べていたように「可能性を信じている」からではないかと思う。
正直、霧矢あおいは、“自分に対して”、他のメインキャラが持っているような、突出した才能やキャラクター性や特技など、アイドルとして軍を抜いて輝く力は持っていないと思う。それは71話を見た後でも意見は変わらない。それでも、編入試験でスペシャルアピールを出した天才のいちごや、自分より前から努力を積んできた蘭、どんな人も幸せにしちゃうおとめちゃん、抜群のキャラクター性とギャップを兼ね備えたユリカ様……みんなと互角に、それ以上にやり合ってこれたのはあおいの日々の努力の成果だろうし、私が見てない1年で更に成長したんだろうし、学園長もそれを認めて代表に選んだんだと思う。
控えめに言っても、私は「努力する凡人」がめちゃくちゃ好きで(例:南みれぃ)、あおいが選ばれたときには「あおい見せ場来た!頑張れ!!」って思ったし、いちごが帰ってきたときには「いい感じにあおいを励ましてステージに立たせてくれ〜」と思っていた。

それが、これである。
意味がわからなかった。
だって、ここで譲る!? 期待されて任されたのに!?いちごちゃんだって、いくら自分がワクワクしちゃったからって大事な親友の大事なステージ取る!?おかしいでしょ!なんで!?!?!?

意味がわからなすぎて数日病んだ。
自分に自信が持てず、努力してきた自分を否定して挑戦しなかったあおいに失望してしまった。

それでも『アイカツ!』を信じたくて、私に『アイカツ!』を進めた、アイカツが人生だと口語するオタクに相談をした。
すると彼女は、
・物語的な是非は置いておいて、新規視聴者が増える時期なので、2ndシーズンの要となるセイラといちごを目立たせようとしたのではないか
・いちごの行動力があるところや天才肌なキャラクター性をアピールするためではないか
といった運営的解釈と、
・絶対に失敗が許されない局面で「アイドル博士」としての自分の肌感覚を信じたのではないか
というあおいの内面的事情、
そして
・あおいの自信の無さなどは71話(神回)(話数暗記必須)で回収される
と、具体的な希望を示してくれた。
彼女のおかげで少し光が見えた。


しかしまあそう簡単に先へは進めず、今までのペースと比べると非常にゆっくりと見進めていた(ちなみにこの間にプリパラを100話くらいから140話まで全部見た)(完全にプリパラの片手間にアイカツである)。
アイカツ5周年記念イベントの発表くらいから少しずつモチベが回復し、ここ最近は1日2話くらいのペースで見てきた。
ドリームアカデミーの生徒たちもすごく魅力的で、きぃちゃんが殻を破ってアイドルに挑戦したり、初登場(厳密には初ではない)でそらちゃんにガッツリ心を掴まれたり、華麗なマリアちゃんにほうっとなったり、普通に面白い。でもスターライトのアイドルの出番が減ったのは寂しかったし、71話は果てしなく遠かった。

ていうか正直に言うと71話を78話と勘違いしていたから、78話は果てしなく遠いと思っていて、突然次回予告で「キラめきはアクエリアス」と言われ、頭の中がはてなマークで埋め尽くされた。えっ、これ絶対あおいちゃん回じゃん。みずがめ座じゃん。えっっっ???次?次なの?といった感じだった。


そして迎えた71話。最高だった。Soleil結成回と競るくらいの神回だったと思う。

今まで出してこなかったフューチャリングガールの満を持しての星座プレミアムドレスの発表。絶対に星座アピールを出さなくてはならない場面が再び彼女に訪れたのだ。まず、彼女は「ぜひやらせてください!」「最高の星座アピールを出してみせます!」と勢いよく答えた。それだけで私はかなり嬉しかった。だって前は逃げちゃった彼女が、「やる」と力強く断言したから。その理由の一つには“フューチャリングガールの”星座プレミアムドレスの発表だったから、というのがあるように思える(あおいとフューチャリングガールについては40話参照)。
星座アピールを出すにはどうしたら良いのかと悩むあおいの元に現れたのはドリアカのティアラ学園長。「私のことをアイドルとしてどう評価していますか?」というあおいの質問に、「あおいちゃんってさ、水みたいな存在だよね!」と答えるティアラ学園長。
“水”について考えたあおいは、“存在感が薄い”→つまり私には“1人でも輝ける強さ”が必要だと判断し、山篭りすることを決意した。
そして自分の弱点は“周りが見えなくなるくらいに熱くなりきれないこと”で、スターライトクイーンカップでおとめちゃんに負けたのは、“絶対に勝ちたいっていう爆発力が足りなかったから”だと分析する。トップ中のトップになるには、いちごのようにがむしゃらに突っ走る力が必要だと。
そこであおいは、頼れるものが自分だけの状態で自分を磨こうとしたのだ。
しかし、山で水が足りなくなる。食べることも飲むこともままならない状況で、助けに来たのはいちごだった。いちごに星座アピールが私にも出せるか、と問うと、「出せるよ、あおいだもん」「私あおいのことすごいって思ってた」「私なんて自分のことで精一杯だけど、あおいはちゃんと私たちを見てくれてるってわかるから。それができるのはあおいだけなんだよ」とあおいを励まし、あおいが弱点と決め込んでいた“自分より周りを見ちゃうこと”をプラスに変えた。
そしてあおいは、自分のそんな一面も必要としてくれる人がいる。そしてそれは水も同じなんだ、と気がつく。

“水は普段目立つことはない。だけどいろいろな場面で必要とされる”

それが、アイドル“霧矢あおい”の強みだと。

「私は、霧矢あおいの可能性を信じる!」
強い気持ちで臨んだステージ。あおいは、最高の星座アピールを見せてくれた。クリスタルアクエリアスコーデを纏った彼女は世界でいちばん綺麗で、彼女が放った星座アピールは最高に輝いていて、胸がいっぱいになるというのはこんな気持ちなんだ、と思った。本当におめでとう。そして、ありがとう。


「私は私であればいい」
自信の無さからステージを降りた過去のある彼女から出たこの言葉が、ひどく心に刺さった。

私は「あおいは自己肯定感が低い」と彼女に対して思っていたのに、彼女が最高に自己を肯定する言葉を放ってしまい、彼女から自己肯定とはなんたるかを教わってしまったのだ。あ〜あ、私があなたのことで悩んで病んでたのってなんだったんだろって、ちょっと笑ってしまうくらい、その姿は清々しく、かっこよかった。

あおいちゃん、ありがとう。
私は自分の好きなところいくつか言えるし大丈夫だと思うけど()それでも同年代の声優やアイドルを見てたまに病むことがあるから、そのときはあおいちゃんのことを思い出して頑張って生きようと思うよ。




P.S.
私はあおいちゃんのことを「縁の下の力持ち」だとか「みんなを支える役目」だとは思えなくて、だってあなたはあなたで輝いているんだもん。「縁の下の力持ち」ってちょっと失礼じゃない?
私は“水”の解釈を「周りを広く包み込む包容力」「全ての人に必要とされる」だと思ったよ。私はあおいちゃんに、世界中を笑顔で包んで、みんなに必要とされるアイドルになってほしいなぁ。




💙✩⃛ೄ💙